月夜の物語
「新…」
名前を呼んだって、新はぴくりとも反応しない。
そんなの当たり前だということは、わかっているけど。
だけど信じられないのだ。
「馬鹿…、死ぬなよ…。一緒に帰るって約束しただろ…っ」
海月と悠馬は、新に寄り添うようにして、思うままに泣いた。
もう会えないなんて。もう話せないなんて。
受け入れられない現実。
しばらくして海月が、何も言わなくなった新にそっとキスを落とした。
そして冷たい手を自分の腹に宛がう。
「新、安心して。この子は、私が守りますから…」