澤木さんのこと。
せわしなくなく、蝉の声がいっそう大きくなったような気がする。
7月下旬といえど、季節は立派な夏なわけで。
照り出す太陽がまぶしくて、痛い。
太陽の光がお肌に悪いのがなんとなく分かった気がする。
しばらく歩くと商店街が見えてきた。
小さくて、でもお店の人たちはいつも明るくて優しい。
「お、澤さん!今日も若い子連れか?」
「るせーな」
八百屋のおじさんも魚屋のおばさんも、みんなが澤木さんに声をかけてる。
「澤木さん、みんなに好かれてるんですね」
小さく笑って言ったあたしに
「年寄りに好かれたってちっとも嬉しくねぇんだよ」
ぷいっと反対を向く。
そんなこと言って。
まんざらでもないくせに・・
「おー澤!!」
電気屋さんのおじさんが声をかけてきたそのとき
「続いて。半年前に起きた殺人事件で起訴された中林被告は・・」
きれいなキャスターさんが真剣な顔でニュースを読み上げる。
確かこのキャスターさんって・・
「澤木さん、このキャスターさんって確かミスジャパンの・・澤木さん?」