恋愛遍歴-愛を求めた日々-
episode 8

四十歳を迎えた茜だったが、その直後から、新たな苦しみが襲っていた。


『何で!何でストーリーが浮かんで来ない!あぁー!!』


一週間が過ぎても、一向に書けない苛立ちが抑えきれず、
叫び声を上げ、物に当たる様になっていた。


『ガチャーン!ドーン!』


グラスを投げつけ、イスを蹴り、手当たり次第に物を投げつけた。


『お願い…、お願いだから…』


この一週間、ろくに物も食べず、書けない苛立ちと焦りで眠れない日々…。


七割ほど書き上がっていた小説は、一文字も増えないまま…。


『光…、これは私の受ける罰なの…。
お願い…、私から小説を取らないで…』


書けないこの苦しみは、茜にとって何よりも辛い…。

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