【短編】狼彼女とチョコレート
「…妬いてるの?」
「…悪いか。」
「ううん。全然」
ちょっと拗ねたように言う会長の腰に、あたしの腕を回す。
会長の腕があたしの頭に回って、ぎゅっと抱きしめられる。
「…嬉しいよ、会長。」
「…馬鹿」
そう言って抱きしめる力が強くなった。
………好き。
大好きすぎておかしくなりそう。
「食べる?これ」
「あ…いや、いい。」
「えー、じゃあ食べちゃお。」
もらったチョコレートを口に含む。
甘さが口いっぱいに広がった。
不機嫌丸出しの会長の顔が近づいて
「な……んッ…!」
…信じられない。
会長の顔が近づいたと思ったら、会長の舌がチョコレートを奪っていった。
「…ざまぁみろ。」
「いや…」
そんな真っ赤な顔して言われても、全然悔しくないんだけど…