(´Д`)

「最近、幸子ちゃん
やつれてない?」

「死んでやつれるとかあんの?」

「うーん、というか元気がない?
やっぱり仕事つらい?」

「べつに」

「心配だわ」

「大丈夫の
すっとこどっこい」

私はサユリにぐっと
親指を突き出して
ブルーホールの中に飛び込んだ。



下界の地面に着地する。
渦巻きの酔いはもう慣れた。

ここはワンルームマンションみたいで
部屋の中はカーテンが締め切り
薄暗く物が散らかっている。

そこの隅で人形のように
座っている女の人。

「死にたい…」

ぽつりと零す。
手には剃刀。

私は窓によりかかり
彼女と対峙する。

< 105 / 204 >

この作品をシェア

pagetop