(´Д`)

「ヒマだね」

「うーん」

話しかけると
テキトーに答えてくれる。

巧みたいに霊感は
全ての人にないから
私の姿は彼女には
見えないけど。

巧のあとから
成功と失敗は五分五分だ。
何が合っていてコツも分からない。
巧の時のはまぐれかもしれない。
でも、そう思いたくはない。

だから私はこの人のように
もがき苦しむ。


「いやだ…何もかもがいやだぁ…」

「…」

私もこんな感じだったのかなぁ。
宿命ってやつ。

「いないの…?」

え?
女の人は周りを
キョロキョロ見渡す。

「誰もいないの?」

いないって…。
あんた一人暮らしでしょ。

「あなたも結局
私を見捨てるのね!!!!」

誰のことを言っているんだ。
混乱して何もできない。
女の人は手首に剃刀を当てる。

そこでハッとした。
この人…
私のこと呼んでいるの…!?

「やめてっ!」

とっさに声を出した時には
もう遅かった。

ぐだりと倒れる女の人。

もう…失敗だった…。




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