School

夕焼けと私

結局最後まで授業を受けた。

理科室の扉を開けるとなんとも言えない香りがした。

「先生いないじゃん」

「いるよ」

机の下からひょっこり現れた先生は、白衣を身にまとっていた。

似合っててムカつく…。

「少し話しがしたくて…何か飲み物いる?」

「話だけならいらない」

「じゃ…座って」

読めない先生。言われた通りに座った。

「授業…楽しかった?」

「…まぁ」

楽しいって訳じゃない。

でも屋上に一人でいるよりはマシだった。

「よかった…」

キレイな顔で微笑されればたまったもんじゃない。

「今日はそれだけ」

フワッと頭を撫でられた。
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