School
気が抜けるような些細な会話。
先生が出ていった後しばらく立ち尽くしていた。
「また話したいと思うじゃん…」
ポツリと呟いた。足は自然と屋上に向かう。
まただ。
この匂い。
「藤田さんに…西宮君?」
「残念…俺だ」
あ…。
心をこの先生になら許してしまう。
思った事を率直に言える。
「素直な人間に…なりたかった」
「素直…ねぇ。お前には到底無理だろうな」
「分かってる…」
ふぅとこっちを向いて息を吹きかける。
煙たくなって咳き込む私に
「お前は曲がりすぎだ」とだけ言って
屋上から姿を消した。
曲がりすぎかぁ…
お似合いの言葉なのかなと思って
茜色に染まる空を眺めた。