School
2.なみだ、えがお
家族と私
「ただいま」
ガッシャーンと物のぶつかる音がした。
「出ていくわ!」
「とっとと出ていけ」
傷だらけの顔と手足の母親。
「おか…」
玄関の戸はカチャンと閉まる。
「てめーも出ていけ」
お酒臭い父親。
アル中ってやつだ。
ガシッと頭をつかまれた。
「いっ…た」
「金づるになる」
「ふざけないでっ」
腕をおもいっきり振り払うと、父親は勢いでぶっ倒れた。
「このクソガキ」
力任せに腕を殴られた。
父親は、顔は絶対に殴らない。
「金づるになる。水商売に出す」って言う。
「そこらのバイトより高い給料だぞ」
腕が痺れるように痛い。