School
3.動く、止まる

告白と私

制服のポケットにある

電話番号とアドレスが書いてある。

先生からもらった紙。

眺めていると、楓がヒョッコリ現れた。

「颯に何もらったの?」

「携帯の番号とアドレス…」

「メアドも!すごいじゃん」

「話を聞いてたでしょ…哀れみとかそんなんだよ」

「貰えたなら良いじゃん」

「…メールする事ないし」

「私にも教えてよ」

楓は携帯を取り出した。

かわいらしい携帯。

「あ…うん」

赤外線でアドレスと電話を送ってくれた。

「席つけー」

先生が入って来たので急いで携帯を隠して席につく。

楓に後で教えてあげよう。

「佐伯さん…彼氏いんの?」

「はっ?」

隣の席のなんとかって奴。

「今まで学校来てなかったのは、彼氏といたからだーって噂。」

「ふぅん」

噂をバカ正直に信じすぎ。

毎日学校に来て、何人かの生徒にも会った。

「で、あんた誰?」

爽やか君だとは思ったけど、名前は覚えてない。

「ひどいな…竹田光。俺と付き合わない?」

何でそんな事簡単に言えるの?

「嫌に決まってんじゃん」

爽やか君なんかじゃない。
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