School
「天気いーね~♪」
しばらく空を眺めていた。
白い雲は風に流されていく。
心地のよい風の音だけがする。
「みっきーは…颯の事好きそうだから言ってもいいかな…」
「…………」
楓の「好き」という言葉が気に触った。
「好きってフツーに…何て言うのかなぁ…」
楓は頭を抱えている。
「先生は尊敬…かな。楓には感謝」
「恋愛感情に!ほら…尊敬から好きになるってやつ!」
「私恋愛はしない…人を好きになれない
」
人を好きであり続ける事ができない結果。
両親の間には今は愛なんて存在しない。
私が原因で互いを嫌いになったのかもしれない。
人の好きな気持ちを奪った私。
ならば…
私に人を好きになる資格なんてない。
だから恋愛しないの?」
「たとえ好きでも………言わない」
「美月…」
楓はそっと抱き締めてくれた。
「やっぱり好きなんじゃん。
恋だよ」
楓はニッコリと笑った。