School

サボリと私


授業の時に何度か先生と目があった。

気のせいかもしれない。

自意識過剰かもしれない。

楓に自重気味に言うと

「ノート採ってないでボゥとしてたでしょ?」と言われた。

「この辺もうやったから」

「やったって?」

「屋上でね…教科書開いては読んだりしてたんだ。」

空を見ていたり。

体育の授業を眺めていたり。

教科書を開いてみたり。

「努力家!」

「何やってんだろうなと思ったりしてね」

「へぇ」

「理科なんて役に立ちそうな事何もなかった。」

ポコッという音が頭上でした。

と同時に痛みが走る。

「役に立たなくて悪かったな。授業点ねーから。」

教科書をクルッと丸めて手にしている先生は教室を後にした。

「颯、機嫌悪いな…」

「え?」

「颯は女性恐怖症に近いもんあるから」

「女性恐怖症?」

「昔ね…ちょっとあって」

楓が話をすると同時にチャイムが鳴り響いた。

「…体育じゃない?」

「美月には話す事いっぱいだから、屋上に行こうか」

「サボりだね」

見つからないようにひっそりと屋上に行った。
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