キスしたくなる唇に。
「…あたし、皆のこと好きです」
「………俺にはよくわからない」
「…だから、先輩のことも、きっと好きです。…嫌いだけど」
「ふぅん? 西野くんは特別じゃないの?」
「…西野の特別は、お姉さんですからね」
あたしは結局、誰が好きなんだろう。
あたし、やっぱり間違えた。
あたしは頭の中で叫んでから、一気に起き上がった。
そしてシンプルな携帯をスカートのポッケから抜き取り、カチャと音を立てて開く。