キスしたくなる唇に。

先輩が寝てからすでに10分。

…そろそろあたしも帰りたい。とか思う。




あたしは先輩の握力が少し弱まってきたのを見て再び立ち上がる。



「先輩、おやすみなさい。…えと、また学校で」



そう言って、解けかけていた先輩の指を引き剥がす。


そしてあたしは静かに玄関の方向につま先を向け、片足ずつ踏み込む。





いくらなんでも起こしたら悪いよなあ。


< 126 / 172 >

この作品をシェア

pagetop