キスしたくなる唇に。
ちょっと、タイミング悪すぎだって。
キレイでなおかつ穏やかにあたしの名を呼んだその人物は、紛れもない晃 静架。
そして頭の隅に置かれた警報がまたもや鳴り出す。あーうるさい。
「な、何か用ですか」
警戒心丸出しのあたしは、先輩が近づいてくるなり西野の脇に静かに潜んで、軽く先輩を睨み付けた。
しかし全然揺るがない先輩。
…やっぱりこの先輩は苦手だ。何を考えているのかわかりやしない。
「薮知?」
西野だけは先輩の発する黒いオーラに気づかないようで、疑問符だけを持ち続けている。
「来ればわかると思うけど」