キスしたくなる唇に。
「…そういえばなんで先輩はあたしのこと知ってるんですか?」


「うーん。遅刻常連者の薮知さんといえば有名だけど…。 特に先生たちの間でね~」


「…………。じゃ、じゃあ西野は?」

「入学したてのころ、一回俺のとこ来たし」

「え? 西野が?」

「うん。なんかあの髪が地毛じゃないとか地毛だとか…」


「彼のは地毛です」

「知ってるよ。 先生ったらわざわざ確かめさせるんだもん。めんどくさいよここの教師たちは」


「………」




…帰っていいかな。


あたしは一人心の底からうずうずするものに襲われながらも、どこか乾いたこの会話を続ける。


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