恋愛妄想
そして あたしは…


とうとう仕事に行けなくなってしまった。
一週間休んで、退職願いを送った。

この無責任な行動より
あたしは自分の狂っていく気持ちが怖かった。


リカが紹介するという女の子。
あたしには絶対敵わない。

退職してから、一度だけ彼に会った。
偶然会ってしまった。

あたしは踵を返して走り去った。

それきりだった。

携帯も変えて、
あたしは外に出るのが怖くなった。

また 偶然出会ってしまうかもしれない。

彼を忘れられる訳もなく、
あたしの生活は荒れていった。
最後にお風呂に入ったの、いつだったろう…
お酒を飲んで、毎日を過ごす。

夜は静かで
あたしは一睡もせずネット三昧で、
明け方にコンビニへ行く。
ニュースが「おはようございます」と言う時間にテレビを消して
昼間は昏々と眠る。

夕方に目を覚まし、またネットに繋ぐ。

本もDVDも
ネットで手に入る。

実際会ったりするより
会わない人間関係は
心地いい。

でも一生こんな生活もできない。

月に一度ハローワークに
失業中の申請に行く。
バスに乗るのが怖い。
タクシーで向かう。

預金残高が増えている。
退職金の支給だった。
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