Voice
『好き。ずっと』
下を俯いて涙を流しながらそう言った恵美が何を思ってたかは、知らない。
ただ苦しかったんだど思った。
『良いよ。付き合う』
俺が深亜を好きだと言う事を知ってか知らずか、恵美は笑ってた。本当に嬉しそうに。
…嬉しそうに作り笑いを浮かべて。
雪が降ると本当に嬉しそうに笑う恵美の姿は好きだった。だから俺も冬が好きだった。
でも今は恵美の心も、深亜の心も見えない。
…自分が見つけられない。