君と彼女と私とチョコと
バレンタイン・デー
季節は、もうすぐバレンタイン・デーを迎えようとしてる。

それのせいか私のクラスには異様な空気が漂う。

バレンタインは女の子が好きな男子にチョコにあげる日なんて誰が考えたんだろう。
だって、そもそもバレンタイン・デーってめでたい日じゃないし。

なのに男子は、誰かから欲しいとか浮かれてるし、女子はレシピブックを持ってきて何作る?とかで盛りがってる。

そんな中、私、松田奈々は机に座り一人取り残されていた。

馬鹿みたい。
チョコをあげて告白なんてえびで鯛を釣ると一緒じゃん。

なんて心の中で呟く。

冷めてるわけじゃない。

私だって…。

「奈々~」
机の上で頬杖を着いて考え事をしてる私にクラスのリーダー的な存在、律子が声をかけた。

理由はもちろん、
「チョコ、誰にあげるの~?」
だ。

律子の後に続き、女子達が顔を覗かせ興味ありげに私を見る。

そんな律子達に私は、
「好きな人いないし」
と冷たく言い放つ。
そんな発言を聞いて律子達はがっかりする。
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