さくらんぼロリーポップ
「だから慰めは!」
「高原さんの力が必要だよ」
「っ…………」
レンズ越しに藍楽を見つめる豹の眼差しは真っ直ぐに彼女を捉えている。
「わたし、仕事覚えるの遅いですよっ?」
「覚えるまで教えてあげる」
「大事な書類だって無くすし……」
「大事な書類は俺達が管理するよ」
「弟のお迎えとかもありますっ」
「融通を利かせられるよう頑張る」
藍楽が胸につっかえていた不安を並べても、豹はアッサリと笑顔で交わしてしまう。
それどころか、
「ウチは会長が一番手がかかるから。助けてくれないかな?」
豹は藍楽が必要だと何度も告げていく。
役立たずと切り捨てられた胸の傷に、温かく優しい言葉がじわっと広がっていった。