不良彼氏〜金髪と天然〜
「数学のテストの日、熱が出て1日入院になって受けれなかったんだ。」
「それで、テストのかわりに補修を?」
あたしの質問に対して、康輝くんは、小さく頷いた。
「だからあんなに賢かったんだ!」
さっきまでのよくわからないモヤモヤがなくなって、同じ補修生なのにやけに賢かった康輝くんの謎も解けた。
「ごめんな、ユズ。騙してる感じになって」
「ううん。いいよそんなの!康輝くんのおかけで追試受かれたし!」
「…ユズ」
「はっ、はいっ!?」
いきなり小沢くんに呼ばれて背筋が伸びた。
「行くぞ。」
「ちょ、え!小沢くんっ」
それだけ言うと、あたしの手を無理やり引っ張ってずいずい歩いて行く。
「ごっごめんね康輝くん!また今度っ」
大きい声で康輝くんに聞こえるように言った。