White Witch

「あの・・・事情を知らなくて、隠しててごめんなさい。魔女のことは・・・知っています。」

「ありがとう!!で、魔女はどこにいるんだい?ここの近く?」

二クスはすごく嬉しそうに聞いてきて、答えにくい・・・明らかに私が魔女だなんて思ってない言動。

しかし、言いにくいとか言ってる場合じゃない!!女は度胸だ!!

「わ、私がその・・・魔女なんです。」

勢いよく最初は言ったけど、やっぱり怖くて肝心な部分が小さくなっちゃった。
聞こえたよね。
ミランダはニクスの顔を見るのが怖かったけど・・・反応がないので、恐る恐るニクスを見る

二クスは考えていない答えではなかったが、あまりにも幼いこととイメージしていた魔女とかけ離れていることで、二クスの思考は止まった。

「あの・・・大丈夫ですか?」

ニクスが動かなくなったことや目の焦点が合っていない様子なので、ミランダは二クスの意識を浮上させるべく、顔の目の前で手を振ってみたが・・・この立っている状態で身長差があり、背伸びをしても指先が二クスの鼻先までが限界。
二クスの視界の隅にしか入らなかったが、背伸びをしていたせいで不安定で指先が二クスの鼻を掠めていたおかげで二クスは意識を取り戻した。

「あ、すまない。お譲ちゃんが魔女だなんて思っていなかったから・・・」

二クスはばつが悪く、苦笑いをする。

「あの、私お譲ちゃんじゃないです。」

ミランダはムっとして、二クスのこれまでの発言で気になっていたことを言う。
二クスはニクスでミランダの言った意味をちゃんと理解してくれてないみたいで「ごめんごめん」なんて言って、子供をなだめるみたいにミランダの頭をポンポンと撫でた。

「だから、私を子供扱いしないでください。身長は小さいかもしれませんが、これでも今年20歳になるんです。」

二クスはミランダを頭の先から足の先まで観察するが、どこからどう見ても・・・14・5歳の少女。

「…本当に?」

疑いのまなざして見てくる。
コクんと首だけで答える。

「…見えないな。」

ボソッとニクスがつぶやいた。

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