White Witch
急に積み上げられた本をあさり始めたミランダにニクスはどうしたのかと、問うと
「『ジジ』はお祖母さまの名前です!お祖母さまが残した本に『黒死病』のことがあったはず。」
探しながら、ミランダは答えたが至るところに本…ここだったかな。あれ、違う…どこでみたかな。無造作に探していて、とても片付いていたとは言えなかったが、ミランダが探しているうちに見る見る本が散乱していった。
「・・・手伝おうか?」
このまま探していても見つかりそうにないし、部屋が悲惨な状態になるだけで見かねたニクスが手伝いを申し出た。
すると、本にまみれて姿が見えなかったミランダが勢いよく顔を出し
「本当ですか!!助かります!!本はどんなのか覚えているんですけど、どこにしまったのか忘れてしまって…」
しまったって・・・ちょっとツッコミたかったが、作業を優先にした。
「で、どんな本?」
「大きさは手帳ぐらいで、黒い表紙に隅のほうに『Jiji』と書いてある本で…」
がたがた、ドーン!!!といって辺り一面真っ白・・・埃が散乱。
「げほ、おい大丈夫か?」
「・・・た、たすけて。」
だんだん視界がクリアになってくると。
ミランダが本に埋もれて、手だけ出ている状況になっていた。
はぁ、どこにこんな間抜けなやつがいるんだよ。
ミランダの出ている腕を掴みそのまま引っ張り出す。
「ぷはぁ、助かりました。本に埋もれるのって危ないですね、重いし息できないから怖かったです。」
ミランダは片腕を吊り上げられたまま、そんなことを言った。
なんかこの娘ぬけてんな・・・とか思いながら二クスはミランダを下ろした。