新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜
〜奏side〜

「此処は?」

背中の痛みに目を覚ませば見たことのない部屋が眼下に広がる。

背中がひどく痛む上に体が重い。

…そうか。私は斬られたのだ。

兄さんが此処に居ない、ただ単に男女だから部屋を別けられているのか、それとも…

スっと襖の開く音がしてそちらに目をやる。

「奏…目が覚めたか。」

「兄様。兄さんは?」

そう尋ねると兄様は悲しげな表情を浮かべる。

その表情だけでわかる。

兄さんは…
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