同居の秘密。【完】
「離してよ…っ!」
溢れる涙を忘れて無我夢中に抵抗した。
自分が自分じゃないみたい。
…だけど、私はここまでしても翔君と離れたくない。
…おじさんに負けたくない!
「…や…っ」
その抵抗も虚しく車の目の前まで連れて来られ、車から目を背ける。
どうして。
どうして、私達、何もしてないのに。
どうしてこんなに辛い思いをしないといけないの。
「……助けて…」
聞こえないくらいの声で、車の後部座席に押し込まれそうになったときに呟いた。
そして私は抵抗する力も使いきり、諦めようとし、目を瞑った。
一滴の涙が私の瞳から流れ落ちる。
翔君────…。
翔君の名前を心の中で唱えた瞬間、何かに引っ張られ、体制を崩した。