Water World Wars ~軍人と少女の恋物語 【序】
 この宮殿のような屋敷に住む男、ジュリアン――年齢は24歳。

 海王政府軍の軍人であり、この海王星の上流階級に位置する貴族。

 軍の階級は少将、爵位は公爵。

 海王政府は古来より「貴族制度」をとっており、爵位を制定していた。

 一般家庭との生活の差はあるが、その分、貴族階級の人間には追徴課税や一般階級への奉仕、そして海王星に対しての貢献などを義務付け、守れない貴族に対しては爵位剥奪などを行っており、貴族という特権階級の「代償」もしっかりと背負わせている。

 ジュリアンの家系も、代々男子はみな海王政府軍の軍人であることがしきたりとして義務付けられていた。

 当然例に漏れず、ジュリアンも12歳で海王政府軍のエリート士官育成学校へと入学してから、海王政府軍の軍人として、日々忠実に軍務に従じている。

 24という若さにもかかわらず軍の階級が高いのは、家柄もさることながら、ジュリアン自身の軍人としての評価がとても高いことが現れていると言っていいだろう。

 聡明で頭が回り、軍を指揮する能力に長けていて、ジュリアン個人のいち軍人としての身体的能力もトップクラス。

 それでいて部下を思い、厳しさの中にも優しさを併せ持つその気質に惹かれる部下は数え切れない。

 それらを評価された結果の少将、というわけだ。

 今はこの「ラオメデイア」の艦の総責任者という立場にあり、艦が変わりなく安全に存在するための指揮をとる日々である。
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