大切なキミだから…
再会
「はぁ…」
なんだったんだろあいつ…
あの男の顔は知らないし、もちろん名前も知らない。なのにあの男は私を助けた…って言うより邪魔した。
「あーあっ何か考え事してたらお腹減ったなぁ」
今日は昼食食べれる時間なかったしな…今からコンビニ行ってパンでも買ってこようかな。
私は徒歩で近所のコンビニに向かった。
―ウィン―
コンビニに着いて自動ドアを通り抜け、パン売り場に向かった。
「どれにしようかな…」
チョコチップメロンパンは大堂やしあえてのメロンパン?どうしようかな?
「お客さん!?もしかして…」
「へっ??」
声のする方を見てみると私は目を見開いた。だってあの男がいたから。
「あんた!!あの時の!?」
「やっぱり、すごい偶然だね!!会えて嬉しいよ」
何なのよ、何でまたこいつがいるのよ!!あり得ない。
「ねぇねぇ、キミ名前は?」
こういうとき答えるべきなのかな…まぁいいか…
「瀬奈…」
「せな?良い名前だね!!」
「…あんたは?」
「え?俺は輝哉だよ。輝くって書くんだ。」
何か馴れ馴れしいな…
でも話しやすいオーラがこの人から出ているのは確か。
「じゃあ、瀬奈ちゃん!!もう俺たち友達だねっ。俺の事は輝でいいよ!!」
いやいや、一方的に決められても…友達なんていらないし。
「私と友達になっても良いことなんてないよ。」
私と友達になっても後悔するだけ。友達なんて信じられないし、ただ一緒にいるだけの存在ならいらない。
「そんなことない!!俺がなりたいの!!いいだろ!?お願いっ」
輝は手をあわせてお願いしてきた。ここまでされたら断れないな…
「いいよ…」
「やったー、ありがとう!!はい、これ俺の連絡先ね」
輝は紙に自分の連絡先を書いて私に渡した。
「じゃあ、連絡してね!!待ってるよ!!」
輝はバイト中だったのかレジまで走っていってしまった。
「忙しい人だな…」
パンを買って私は家に向かって歩き出した。