15歳のラビリンス
自分の席につく前に、アツシのほうを見てしまった。
アツシはいつものようにクールな表情のまま。
私と目が合うと、ふいっとそらした。
「今日から二学期が始まります。受験生にとっては大事な時期なので気を抜かないように。進路も徐々に固めていきましょう」
大事な時期…。
一学期もそんな事言ってたよね。
受験生は時間があるなら勉強しなさい…か。
「仁哉、すごかったね」
朝の会が終わった後、彩乃が振り返ってそう言った。