15歳のラビリンス


や、確かにそうなんだけど…。


私は何でジンがああなったのか知りたいだけなのに…。



「…美織ちゃん、戻ろう」


「でも…」


「後でちゃんと話そう」



こうちゃんはそう言って階段を駆け上がって行った。



彼が戻ったのなら私が強行突破するわけにもいかない。



おとなしくクルッと回れ右をして自分の教室へと戻った。


教室はザワザワとしていて、ジンの金髪姿に誰もが驚きを隠せない状態だった。



私達が三年生になってからは、あんな派手な格好をする生徒が一人もいなくなったから、去年や一昨年の不良グループを思い出しちゃったんだと思う。


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