15歳のラビリンス


「近藤。お前は受験生なんだから騒ぎを起こすなよ。河村は一緒に来い」



ポンとサトルの肩をたたくと、先生はジンを連れて階段を上がっていってしまった。



「見ただろ?あいつと深川は世界が違う。先生が付き合いをやめろって言ったのわかっただろ?」


「何も違わないよ!みんなそうやって線を引くから!ジンはジンなのに!」



私はサトルにそう言い捨てて、階段をかけおりる。


靴をはくと、校舎を飛び出し私は家まで走って帰った。





次の日、学校へ行くと昨日の話が回っていた。


教室に入ったとたん、彩乃が私のところへきた。



「美織、大丈夫だった?仁哉、サトルの事殴ったんだって?」


「…うん」


「仁哉、昨日親が呼び出されたって」



先生に連れて行かれた後、親が呼び出されたんだ…。





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