15歳のラビリンス
私の知ってるジンは、いつも瞳が輝いていた。
でも目の前にいるジンは、瞳が暗く沈んでいる。
「もう、やめて」
怖かった。
だけど、止めなければジンはどんどん悪いほうに行く…そう思ったから、私はジンの腕にしがみついた。
「結局、深川に守ってもらうのか」
「何?!」
「夏休み中もそうやって、里美にかばってもらったよな?おかげで、あいつは突き飛ばされてすり傷作ったけどな」
サトルはゆっくりと立ち上がる。
ジンは彼から離れると、私の手を振り払った。
「おい、何やってるんだ?!また、河村か?!」
騒ぎを聞きつけたのか、先生が3人ほど来た。
「別に何でもないです。ただのケンカですから」
唇の端が切れていたサトル。
それをぬぐいながら先生達にそう言った。