たった12ピースのパズル
ふぅーっと気持ちを落ち着かせ
先生を見ると…
椅子の上で三角座りをしながらいじけていた。
「…何してるの」
「…高峰が“嫌い”を否定してくれなかった。それにそんなんだからって…高峰もやっぱり俺はダメだと思ってるんだ…」
チラリとこっちをみながらブツブツとつぶやく先生
そういうところのことを言ってるんだけど…
あぁ。ものすごく面倒くさい…
「グチグチ言う人、嫌い…」
「嫌い?!じゃ、じゃあ止めるから。な?」
慌てる先生から視線を外し、店の奥を見るけど
タクはまだ戻って来ない。
「高峰」
先生に呼ばれ振り向くと
「っ!!」
先生の顔があまりに近くて驚いた
そんな私を見て
イタズラに成功して喜ぶ子供のように笑う先生
この人…
もうホントやだ。
黙って席を立つと
先生が慌てたように私の腕を掴む
「ちょっ、どこ行くんだよ」
「…あっちの席」
「なんでだよ。ここでいいじゃん。特等席なんだろ?」
「…はぁ。」
ため息をついたとき
「おぉ、なんだ?良輔、琉那にまたなんかしたのか」
ラーメンを手に、タクがようやく戻って来た
「いや、何も!」
パッと私の腕を離し、手を顔の前でブンブンと横に振る先生
「本当か?」
タクが私に聞く
「…もういい。ラーメン、作ってくれてありがと。」
椅子に座り、タクに向かってニッコリ笑うと
タクも笑顔で返してくれた