永久の贄[BL]
二週間後には傷もすっかり癒え、眠ったままの彩十と共に屋敷へ戻った。

ババ様が彩十の様子を見に定期的に訪れる以外、何一つ変わらない生活がまた始まる。

勤めから帰ってすぐに彩十の部屋に行って、晩御飯も彩十の部屋で“四人”で食べる。

あの事件がきっかけでオレと雪を村人の手から守り切った哉が、

どういう訳か何かあった際のオレの護衛の長に就任したせいか、普段よりも屋敷を訪れる回数が増え、

少しは賑やかになったと思う。たまに子供達が彩十の様子を見に来ては、

彩十の頬をつねって起こそうとする事もあるが、それだけで死ぬような事ではないから放っておく。

流石に殴る蹴るをやられたら黙ってはいられないが。


「彩十、今日も一日平和だったな。村の連中とはまだ関係は修復しきれていないが、
きっとお前が起きる頃には普段通りの関係に戻っている筈だ」


夜が来る度にその日の出来事とか他愛もない事を話して。そうして日々は過ぎてゆく。
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