4度目の正直【短編】
私は両手で顔を被い、足をバタつかせた。



どうも嬉しさってのは表に出てしまうものだ。




「───でさぁ、その芸人が…?栄どうしたの?」



「…何でもないっ。」


「あっちに何か───…あぁ~愛しのぇぃを見て…」


「違っ…何でもないっての!!」




────特に何もないまま、卒業式を明日に控えた今日。



携帯のカレンダーを見ると、イヤに実感させられる。



そして休み時間



ピロピロリン♪



『明日で卒業かー。』


『はい。何か寂しいですよ。』



昨日私が寝たのが切っ掛けで今日まで続いている、先輩とのメール。



『テニスはどうするの?』


『生憎テニス部ないとこで、クラブにも入る暇ないというか…だから多分、もうやらないと思います(+〇+);;』



『そっか…じゃ休みの日とか一緒にやろっか♪』



『いいんですか??でも手加減頼みますよ?現役さん!笑』

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