罪血

灑梛と瑞希は、すっかり元通りになった体育館を見回して、一息ついた。

「さて、隊舎に帰るか!」
『そうだな』

瑞希が扉を引き、外に出る。灑梛もそれに続いた。
外に出れば、今まで騒いでいた野次馬達が、血塗れの二人を見て唖然とする。そんな中、灑梛と瑞希はさして気にも留めずに黒い高級感溢れる車の後部座席に乗り込んだ。
運転手がしばらくしてから乗り込み、エンジンをかける。
新型車なので、エンジン音は聴こえない。


灑梛は背もたれにもたれ掛かり、目を瞑った。
モーターの振動が、疲れきった身体に心地よい。

















外からは、蝉の鳴き声と、野次馬の喧騒が聴こえた。




end.
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