嘘と約束~イブの前夜に
束縛と愛しさと友情
「私、剛君のボタンもらうんだ~」

未樹は、声をはずませ、麗那の肩をポン~♪と叩いて廊下に出て行った。

「ふうっ~」

麗那は窓から空を見上げて、思わず溜め息をついた。

「第2ボタンか~」

卒業式間近になると、女の子は、大好きな人の第2ボタンの話しで持ちきりになる。

でも、麗那はそんな友達の行動を、冷めた気持ちでみていた。

「麗~♪飯食うぞ!」
「あっ…うん~」

高2の春、付き合おうぜ!なんて軽く言われて…付き合いはじめた隆秀。
隆秀は優しい。でも自分は元カノと仲良くしてたりするのに、束縛が強い。
愛されてるから~なんて最初は嬉しかったけど、だんだん窮屈になってきて~

今ではいつも一緒。というのに嫌気まで出てきてる。

好みの女の子になってくれるように、口うるさい。って感じで、最近疲れる事が多い。

「な~麗?聞いてた?今の話し。何ボッーとしてる?」

「あっうん。ごめん」
「変なの。まぁいいかぁ。ちゃんと食えよ!放課後、迎えに来るから、ちょっと付き合ってな」

第2ボタンに興味がない理由。束縛されてる自分の気持ちに疲れてるからかな~
教室の椅子と机がガタガタと響き、退屈だった学校での1日が終わる。



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