最後の世界がきみの笑顔でありますように。
坂原の手が伸びてきて、あたしの目を自分の袖で優しく擦った。
「さ、坂原…?」
不思議そうに坂原を見上げていると、坂原は心配そうにあたしを見た。
「泣いてた。」
言われて初めて気付く。頬に触れると、湿っていた。
「あ……本当だ…。気付かなかった。」
そう言って笑う。
「悲しいとかじゃ無いの。幸せだなって…。こういうの、家族っていうんだよね。」
柚ちゃんと秋君に、起きた翼君も混じって一緒にはしゃいでいる。
そんな光景を見ていると、自然と笑顔になれた。
「………漣……。漣さえ良ければいつでも家に来て。その方が嬉しいし…ね?」
そう言ってあたしの頭を、ポンポンと撫でる。