宿題するから利用して

どうして振られたのに、まだこんなにも好きなのだろうか。

しつこい恋心に疲れる。

別に告白ならデビューを果たしてからは四ヶ月に一回の割合でされるのに、

本当に大切な人と恋愛がしたいから、付き合ったことない歴年齢の俺だ。


友達として、――それさえ許してくれない。
あの日から田上結衣は冷たくなった。

けれども、告白する前と変わらず優しく接してくれるなら、

俺は彼女を男たらしだと思い嫌悪しているに違いない。


好意を断ち切れるように、わざと避けられているのだろう。


近藤洋平になりたい。
好きな子に好かれてみたい。
一体、いつ片思いを終了できるのやら見当もつかない。

朝のホームルームが始まるチャイムは、教室の片隅に踊っていた。

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