宿題するから利用して

十八の俺は田上結衣が好きだ、たとえ近藤洋平という厭味ったらしい彼氏が居ようとも大好きだ。


従って俺は今日から小崎里緒菜の親友になろう。
それは正しい選択だと勉強ができる俺には分かっている。



「塾サボる、から、えと、遊んで帰ろっか?」

唇から零れた歌はひどく甘ったるかった。


田上結衣の親友である小崎里緒菜と親友になり、いつの日か小崎里緒菜は――……


高校生、十代、思春期、青春、ここは学校、幸い自分たちは制服を着ているため恋愛という不治の病におかされようが、純愛という呪いには気がつかない。

墨汁みたいな黒々しい空にはたくさんの星が凍えていった。


〓宿題するから利用して
〓おわり


< 228 / 229 >

この作品をシェア

pagetop