宿題するから利用して
さぼっている男子二人組、――いや、違う。可憐な彼女を見守っているのだと思われる。
恋愛をしている人間がやたら有害な理由は、
他人を羨ませる幸せに満ちた甘い瞳を作っていることを本人が知らないところだ。
ある人物の視線を辿れば決まって愛している少女がいるのだが、
出来ることなら、彼氏という職業を自分に譲ってほしい。
何円出せばあの子を俺のものにできるのだろうか。
いくら積めば彼女になってくれるのだろうか。
運動場は著しく日光を跳ね返すから、不意に目が眩む。
白い世界は天国みたいで、こちらに向かって手を振るのっぺらぼうが居た。
「、さぼり?」
違うと気付いている癖に、あえて尋ねる俺は正に往生際が悪いタイプ。