~初恋~私と彼の10日間。
「麗子…そこにいるんだろ?」




ドア越しに硫飛が聞いてきた。




『うん。』




「ごめんな。俺、お前のこと泣かしてばっかだな…。」




そう言った硫飛の声は震えていた。




私は耐えきれずドアを開けて硫飛に抱きついた。




硫飛も私をきつく抱きしめた。




『硫飛、謝らないでよ。』




私は硫飛に謝ってほしいんじゃない。




笑ってありがとうって言ってほしいんだ。












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