persona of fairytales

      ≠

「・・・・・・・・・さて」
後ろ手に扉を閉めて、羅衣は息を吐く。
「一体、どうしましょう」
しゃがみながら、呟いた。
扉を開ければ、廊下も無く隣の部屋に繋がっていた。
そしてこの部屋には、机があり、窓があり、ベッドがある。
エリックの、部屋だろうか?
しかし、それにしては綺麗過ぎる気がする。
今まで、誰も使ったことの無いような。
何の臭いも感じない部屋。
「別に、どうでもいいことですけど」
それよりも・・・と、羅衣は小さく眉を寄せる。
もし羅衣が逃げ出したら、どうするつもりなのだろうか?
部屋の窓は、大の男が楽に出入りできるだけの大きさがある。
そして、窓から見える風景から、ここは一階だろう。・・・その見える風景が森だとい言うことは、この際置いておいて。
エリックは、羅衣が逃げても構わないということだろうか?
それとも羅衣を信用しているのか、はたまた逃げても無駄だと分かっているのか。

「・・・全ての質問は、着替え終わった後と言っていましたし。どちらにせよ、着替えましょうか」
なんにせよ。
自分の疑問を解決する理由の欠片[ピース]は足りない。
今、自分の着ているパジャマを見て、苦く笑い。
そして、袋を開けて渡された服を取り出した。
「あら・・・これは・・・・・・・・・」
苦笑の苦みが強くなる。
「不思議なこと、ばかりですね」
このことも、聞けば答えてくれるのだろうか?
羅衣は、ほとんど笑みの無い苦笑を浮かべ。
パジャマを脱ぎはじめた・・・・・・。

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