persona of fairytales
≠
室温は高い。
ここは熱帯かとでも聞きたくなるようなジメッとした暑さの中。
それでも、エリックと羅衣の体感温度は恐ろしく低かった。
「・・・・・・・・・なんで、俺が命令されていると分かった」
地を這うような低い声。
兎の顔の向こうからの視線には殺気が含まれ、まるで羅衣を見定めているようだ。
「・・・・・・本当に命令されていたんですね」
一瞬の緊張の後、ふ、と羅衣は息を吐いた。
「あ・・・?」
「カマを少し掛けてみただけなんですが・・・そんな風に睨まないでください、怖いですから」
苦笑しながら、ことも無くエリックを宥める羅衣。肩透かしを食らったかのようにエリックの体からも力が抜けた。
「何で、・・・んなカマなんかかけんだよ。それなりの根拠、あんだろ?」
「それは、そうですね・・・まず、第一に私に渡した服は貴方が用意したわけでは無いとおっしゃいましたね?」
一本指を立て、確認。
エリックは頷いた。
「これにより、貴方には仲間がいることがわかります。そして、二つ目は、“許される限り”質問に答えるという言葉。これを聞き、私は貴方がなにかから抑圧されているのではないかと思いました」
指を二本に増やし、彼女は続ける。
「では、その何かとは何なのでしょうか?これにすぐ当てはまったのは強者からの命令です。まぁ、強者でなくても、運命や神様などのファンタスティックな理由でもいいのですが・・・・・・まぁ、これらの理由なら貴方のいくつか引っかかる言動に辻褄が合います」
「・・・でも、それは全部テメェの想像だろ?」
「はい。絶対的な根拠なら他にもありますよ」
自信に満ちた顔に、エリックは一拍。
呼吸を忘れた。
「、それは?」
「勘です」
完璧な、満面の笑顔。
それゆえに、反応が遅れた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「いえ、ですから勘です。ご存じないですか?女の勘はいついかなる時も理論を超えてよく当り、とても頼りになるものなんですよ?」
「。」
絶句する、エリック。
室温は高い。
ここは熱帯かとでも聞きたくなるようなジメッとした暑さの中。
それでも、エリックと羅衣の体感温度は恐ろしく低かった。
「・・・・・・・・・なんで、俺が命令されていると分かった」
地を這うような低い声。
兎の顔の向こうからの視線には殺気が含まれ、まるで羅衣を見定めているようだ。
「・・・・・・本当に命令されていたんですね」
一瞬の緊張の後、ふ、と羅衣は息を吐いた。
「あ・・・?」
「カマを少し掛けてみただけなんですが・・・そんな風に睨まないでください、怖いですから」
苦笑しながら、ことも無くエリックを宥める羅衣。肩透かしを食らったかのようにエリックの体からも力が抜けた。
「何で、・・・んなカマなんかかけんだよ。それなりの根拠、あんだろ?」
「それは、そうですね・・・まず、第一に私に渡した服は貴方が用意したわけでは無いとおっしゃいましたね?」
一本指を立て、確認。
エリックは頷いた。
「これにより、貴方には仲間がいることがわかります。そして、二つ目は、“許される限り”質問に答えるという言葉。これを聞き、私は貴方がなにかから抑圧されているのではないかと思いました」
指を二本に増やし、彼女は続ける。
「では、その何かとは何なのでしょうか?これにすぐ当てはまったのは強者からの命令です。まぁ、強者でなくても、運命や神様などのファンタスティックな理由でもいいのですが・・・・・・まぁ、これらの理由なら貴方のいくつか引っかかる言動に辻褄が合います」
「・・・でも、それは全部テメェの想像だろ?」
「はい。絶対的な根拠なら他にもありますよ」
自信に満ちた顔に、エリックは一拍。
呼吸を忘れた。
「、それは?」
「勘です」
完璧な、満面の笑顔。
それゆえに、反応が遅れた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「いえ、ですから勘です。ご存じないですか?女の勘はいついかなる時も理論を超えてよく当り、とても頼りになるものなんですよ?」
「。」
絶句する、エリック。
