persona of fairytales
「で、まずオレに訊きたいことは何だ?」
相変わらずとても良いとは言い難い姿勢でエリックは問いた。
「そうですね・・・では、いきなりですが〝家への帰り道はありますか?〟」
「No comment…つか、本当イキナリだな」
表情のない兎の顔をやや下に下げ、呆れたように肩を落とす。
「ええ、まあ。回りくどく訊いてもあまり意味がないと思いまして・・・。では次に〝家に帰す気はありますか?〟」
先刻の答えは予想が付いていたのか、あまり落胆の色も見られず、にこやかに進めた。
「それについては・・・Yes。だが、帰れるかどうかはテメェ次第だ。テメェの言動次第でNoにもなる」
「なるほど・・・・・・それは気をつけないといけませんね。なら、次の質問は・・・」
小首を傾げ、少し羅衣は考える仕種をすると、思いついたように笑い。

一言。

「〝貴方に命令しているのは誰?〟」

びくんとエリックの肩が跳ねた。
強張る体。冷たい空気。震える声で告げた。


「No comment」
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