五里霧中
僕は台所を出て、同居人がいるであろう縁側へ足を運んだ。
僕の同居人はどうにも変わっている人たちばかりだ。
言動が変とかそういうレベルでなく、常軌を逸してると言っても過言ではない。
いきなり突飛な自己紹介から始まるのは当たり前。
世界を知らない少女。
自分を失った少年。
片割れに依存する双子。
極めつけは時の止まった少女ときた。
彼女は極めて異端で、手始めに「あなたは壊れていますか?」と尋ねてきた。
生憎僕は素直に「引くわー」みたいな若者的反応はできなかったから、至って真面目に答えたけどね。