五里霧中



「はい、僕は壊れています」


「突拍子もないことを言われても反応に困る。というか、それは既知の事実だろう」


「自他共に認める変態です」


「まあ、君は変態というよりは“変体”だろうがな」



いつの間にか目的地に到着していたらしい。


また彼女に手痛く言われてしまった。


僕は縁側で猫のように伸びをする彼女に視線を移し、その名を呼んだ。



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