五里霧中




まったく、その通りじゃないか―――。





強張っていた腕から、ゆっくりと力が抜けていく。


それに伴ってすーっと息を吐くと、だんだんと体が縮んでいくように感じた。



「おじさん……」


「あぁ?なんだ、命乞いか?」


今、おじさんは楽しそうに醜悪な笑みを浮かべていることだろう。


うつ伏せに倒れたボクには確認することができないけど。


ボクは力いっぱい脱力(矛盾?)して、生気の欠片も感じない声で懇願した。



「おじさん……ボクを殺して」


とにかくこの地獄から、逃げ出したかった。



< 168 / 351 >

この作品をシェア

pagetop