五里霧中
「お前、売女みたいだな」
ある日家に泊まりに来ていた男に言われた。
どういう意味?と聞くと、男は苦々しげに笑って言った。
「体を売って生きている女。
お前の母親は男を釣るためにお前を使うだろ?だからお前は体を売って生きている売女だ」
それから男はいつもアイツにするように、ねばついた舌を私の舌に絡みつけた。
売女。
確かにそうかもしれない。
私はアイツに生かされているだけにすぎない。
自分を売って、生きている穢れた存在。
その事実を冷静に受け止めている自分に、少し鳥肌が立った。