五里霧中
僕は一度その場に座り、リンと視線を合わせる。
手をとってリンを覗き込むと、やはりその双眸には怒りが宿っていた。
「リン、みんながお腹すかせてるから」
「どーでもいいよ。私はにぃにが隣にいてくれればいいんだから」
「僕だってお腹がすく。リンもご飯食べたいでしょ?」
「冷蔵庫にちょっとだけ果物が入ってるから大丈夫だよ。私とにぃにだけはお腹一杯」
「僕はみんなにもあげたいんだ」
「にぃには私よりも他のやつらが好きなの!?」
リンの側に置いてあったグラスが叩き割られる。
破片が飛び散り、少しだけ手が切れた。