五里霧中



困ったな。


こうなるとリンの機嫌を復活させるには「にぃに」パワーが必要になってくる。


あんまり他の子たちの前で「にぃに」になるのは遠慮したいんだけど。


そこはみんなもわかってくれてるよね、と思いたい。



僕はリンの前にしゃがみ込み、あやすように髪を撫でた。


「じゃあ僕と一緒に掘ろうか」


みんながいる場所より少し離れたエリアを指さして言う。


するとリンは途端に笑顔になり、


「うん!」


大きく頷いて見せた。



< 90 / 351 >

この作品をシェア

pagetop